バリエム渓谷は、はるか昔、海から隆起してできた盆地。海のないこの地での唯一の塩は、塩泉の塩。この渓谷には、数箇所の塩泉があり、高地に住む部族は、何日も歩いてたどり着き、再び何日も歩いて貴重な塩を持ち帰る。どの塩泉も思いのほか小さく、水はにごっている。幹線道路から急な山道を登ること40分。足元を注意深く探すと、アンモナイトなどの化石もみつかる。
 
 彼らの伝統的な塩の作り方は、まず、バナナの茎を噛みしがんで、水分を出す。その茎を塩泉に浸し塩分が吸収されるのをじっと待つ。その茎を村へ持ち帰り、天日干しにしたのち、中庭で焼く。灰となったバナナの茎を丸めて、保存する。市場で市販の塩も手にはいるようになった現在も、灰と混じったこの塩が彼らには好まれている。


 塩が貴重であるからか、彼らは、食事の時もほとんど塩は使わない。

バリエム渓谷は遥かなる昔、海だった。その証しは、化石と塩泉。

ダニ族は、バナナの茎を使って塩を作る